たましいの洗い場

中塩博斗のブログです。

0212

怪盗

 ただ薬屋で咳止めを掠め取るような話ではない。この町には、盗まれなくてはならない物がある。昔からそういう風に言われていた。

 息をするのに近いことをしながら、俺はこんな考えについて、その確信を固める。「例えば、二人の意見を整合するみたいに、雨が降り出す。時を同じくして、そうあるべき物が、そうあるために盗まれる」。

#メモ

①コチラとアチラのタイミングを合わせる。(呼吸?)

②その瞬間は、二度とは訪れないかもしれない。

③何より重要なのは、ひしゃく(に類するもの)と容器が必要だということ。

 それから、色々な目に遭った。しかし、もはや、コンセプトというものは一つも意味を持たなかった。そう、エナジーは、あの手この手で表出される必要があった、ただ、手段それ自体には、いわゆるコンセプトを持たせてはならなかった。

 俺の人生はコンセプチュアルではない。この町で機能するのは、泪だけなんではないかと、時々思う。